2022/01/15 01:55

小薬は”草根木皮”

大薬は”飲食衣服”


という言葉があります。

頭が痛い時に頭痛薬を飲み、胃が痛い時に胃薬を飲むように口から摂取する医薬よりも日常の食事や身に纏う衣服こそが肝心な薬になる、という意味の言葉です。薬を【服用】するという言葉。なぜ”服”が付くのか、語源はここから来ているそうです。


衣服は衣食住という言葉の通り我々の生活には欠かせない物です。ふと考えてみると衣は食や住よりもどんな物よりも自分と共にしている時間が長い物です。だからこそ”何でも良い”では勿体無いと私は思います。


草木染めに使う素材には漢方に使われたり、民間療法で薬の役割をしていた物が多く存在しています。例えば茜は浄血、造血、月経不順、神経痛、血行促進などの薬効がある植物で、茜で染められた衣服は昔から女性に親しまれ腹巻などにして肌に密着し活用されていました。

衣服から皮膚を通して直接草木の薬効(エネルギー)を吸収する。そんな生活を当たり前のように我々の先祖はしていたのです。

2019年からコロナウイルスによって当たり前が当たり前ではなくなりました。健康が脅かされ、健康をそして生き方を見直すきっかけとなりました。私達のこれからの衣は価格、サイズ、デザイン、色のほかに「何で染められた物か」という視点も必要になって来る時代なのかもしれません。

草木で染められた衣服は底知れぬエネルギーがあると私は思います。