草木の色は一期一会

産地や収穫時期や育つ環境、また個々の生命力によって彩りに個性が出ます。
二度とない草木の色との出会い、それが草木染めの面白さだと私は思います。

一枚ベールを被せたような優しい草木の色は、畳の匂いが広がる和室に大の字で寝転がるような癒しと安心感を感じさせます。

一期一会の彩りを生地にそっと添える草木染め。

正直言って贅沢。

効率とは正反対 ”手仕事の拘り”

実は草木の色素は生地に染まらない場合が多くあります。染めの工程の中で色素が生地に上手く染まるように工夫をしたり、色落ちがしやすい色素を繊維にしっかりと定着させたりする作業が必要となります。

綺麗に染める為の前準備だけでも半日もの時間を費やしたりもします。

効率化、機械化とはかけ離れた手仕事の草木染め。抜かりのない丁寧な手作業を経た後にようやく草木の彩りを目の当たりにする事ができます。

気難しさと愛おしさ

天然の色素は性質上、色落ちや色流れに強くはありません。

それに加えて取り扱いも少しデリケートです。難しくて面倒と感じてしまうかもしれませんが、正しい取り扱いをすれば問題ありませんし、そこもまた草木染めの良さであり愛らしいところでもあると私は思います。

是非、天然の色素で彩られた商品を楽しんでいただければと思います。色の経年変化も楽しめると愛らしさが倍増しますよ。

”彩り”と”素材”で遊ぶ

染色に使う草木の素材は彩りはもちろんユニークな"薬効"や"花言葉"を持つ物が多く存在します。

”造血”や”血行促進”など血にまつわる薬効を持つ茜(あかね)や”幸福”の花言葉を持つ槐(えんじゅ)。

薬効や花言葉を”おまじない”として貧血で悩んでるの友人に茜で染めた物をプレゼント、なんて事も草木染めだからこそできる唯一無二の遊び心です。

草木染めの取り扱い方

染め直しの場合は元々の衣類の取り扱いに加え、以下の事にもお気を付け下さい。

◆使い始めは手洗いを推奨致します。色流れに問題がなさそうでしたら洗濯機でお洗いください。他の色物の衣類と 混ぜて洗っても問題ありません。

◆洗剤は中性洗剤をお使い下さい。また柔軟剤、漂白剤は使用しないで下さい。

◆アイロンをかける際は当て布をし、できるだけ低温でおかけ下さい。温度によって稀に変色する場合があります。

◆お酢やレモン汁など強い刺激が生地に付着すると色が変わってしまう恐れがあります。取り扱いには十分にご注意ください。

◆長時間の直射日光に弱く変色しやすい性質があります。日陰で管理するなど心がけてください。

◆大変手間がかかりますが、どうぞ大切にしてあげて下さい。



…とは言っても、私の性格上あまり細かい事を気にするのも面倒なので他の衣類への色移りだけに気をつけて後は普通の衣類と同じように扱っておりますが、特に気になるような事は起きておりません。何事も適度に、塩梅よくです。